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赤の他人の雄ばかりの柴犬(5頭)との日常や介護の事 ♡♡記憶より記録♡♡  
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先日、机の中を整理していた時に出てきたもの・・・・







これは 陽ちゃんの お守りです♪





このタクシーの領収書は 2001年1月28日 の物です



この日、陽ちゃんの介護福祉士(国家試験)の日でした。

この頃はまだ兵庫県の西の端の田舎に住んでいたのです。



実はこの試験を受ける少し前に体調が悪くなったのです。

その頃特別養護老人ホームで働いていたのですが

夜勤での仕事中に体調が悪くなると一緒に夜勤している人に

かなりの負担をかけてしまいます。



そこで、介護の仕事を辞める決心をしました。



今では笑い話になってしまうのですが

実際、不正出血が続き、そのせいで貧血になり、立っていられなくなり・・・・

病院に行く前に自分でネットで病名を検索してみました



そこで出てきた病気は 「子宮頚癌」



自分の症状と照らし合わせると・・・余命5年・・・・



笑わないでくださいね

この時は真剣に悩んだのです

そして、我が子の成人した姿も見れないのかと思い

我が子に向けた手紙を書いてみたり・・・・

(あはは 離婚した今は結局成人した姿見れていない)(苦笑)



余命5年で介護の仕事を辞めた私が介護福祉士の試験を受けても何の意味も無い!!

その頃はそう思ったのです。



仕事を辞めた私は、老人ホームで知り合った一人のおじいちゃんの看病をする事にしました。

このおじいちゃんは、陽ちゃんの事を「ひまわりさん」と呼んでくれたおじいちゃんです。

この頃はまだ介護保険が出来る前なので、誰でもショートステイが利用できていました。



山奥に一人で住んでいるおじいちゃんは冬の間雪が積もると孤立してしまう

その間だけショートステイを利用していたのです。

なので普段は元気で一人で暮らしているのです。

平家の落人が隠れ住んでいた村を守る為に山奥で生活しているおじいちゃんです。



日曜日にお弁当を作り、子供たちを連れておじいちゃんの家に遊びに行ったりしていました。



ある日曜日、お弁当を作って遊びに行くともぬけの殻

それどころか、ご飯が食べさしのまま放置

布団もぐちゃぐちゃ・・・・



気になり離れて暮らす娘さんに連絡してみると

朝、娘さんが訪問した時に倒れているのを発見し救急車で病院に搬送されたとの事。

脳梗塞でした

意識も無く、管だらけで寝てるだけ・・・・



お見舞いに行った時に思いました。

人の命って・・・明日がどうなるか分からない・・・

自分自身が余命5年だと勝手に思い込み落ち込んでいたけど

5年もあるじゃん!!って思った



それから、介護福祉士の本を持ち病院に通った。

起きてご飯を食べるわけでも、話をするわけでもないけど

ただ、おじいちゃんの側にいた。



今出来る事をしよう!!そう思った。



数週間後 おじいちゃんは息を引き取った。

今、陽ちゃんが介護をしていられるのは、この時試験を受ける事を諦めなかったから

それは、このおじいちゃんが導いてくれていたんだと思う。



そして

介護福祉士の試験まで数カ月となった頃

やはり不正出血が続き、さすがに病院嫌いの陽ちゃんも産婦人科に行った



子宮に出来たポリープを切除する事になった。

でも、これは介護福祉士の試験が終わってから改めて入院し切除する予定だった。



それまでは2週間ごとに通院することとなった。



さて、

試験の数日前の事です

いつものように病院で検査



そして、いつものように病院の近くの大手スーパーでお買いもの

その最中に陽ちゃんは出血多量で病院に逆もどり

そして、そのまま緊急手術となった。

何と2日後が介護福祉士の試験の日です。



病院に無理を言い退院し試験を受けることにした。



しかし、体力に自信がない陽ちゃんは早朝に田舎から電車に乗って

試験会場の大阪城ホールまで行く自信がなかったので

前日のうちに大阪に行く事にした。



大阪駅の近くのビジネスホテルに泊った。

翌朝、大阪駅まで歩き、環状線に乗って最寄り駅まで行きそこから

大阪城ホールまで歩いて行く予定でした。



ところが、試験の朝起きて見ると傷口が痛むし

吐き気もする

こんな状態では大阪駅までも歩けない

ホテルの人にタクシーを呼んでもらった。



田舎者の陽ちゃんはタクシーに乗るなんて今までの生活で1回か2回だけ!

とりあえず、大阪駅まで乗るつもりだったけど

そこから歩くのも無理だと感じた為 運転手さんに聞いてみた。



「ここから大阪城ホールは遠いのですか? お金はいくらほどかかりますか?」って



優しい運転手さんは、事情を聞いてくれたので

手術後まだ完治していない事

1年に1回しかない試験の日だってこと

タクシーに今まで乗った事がない田舎もんだと言う事

そんな話を素直に話した



その後の運転手さんの言葉



「お姉ちゃん(この頃はまだ若かった)

 いくらまでならタクシー代払えるの?」と聞かれた



陽ちゃんは素直に「2000円までなら払えるけど、それ以上は高くて払えない」と答えた





運転手さんは

「わかった 大阪城ホールまで行ってあげるよ」と言ってくれた。



痛みを我慢しながら乗っていたので距離感も何も分からなかったが

運転手さんはこの領収書の金額 1860円 の所でメーターを切ってしまった。



あ~~~もうすぐ着くんだ~~と思っていたが

実際には、ここからの方が長い距離タクシーに乗っていたと思う。



大阪城ホールに着くまで、すごい長い行列

みんな本を片手に歩いている

どれだけの人が試験を受けるんだろう???



ここが大阪城ホールやで と言われ一旦タクシーが止まった

お礼を言って降りようとしていたら、何とこの優しい運転手さんは

守衛さんに

「今日試験を受けるらしいけど病人やから中まで入ってもええか?」と交渉してくれた。



何と

何と

みんなが並んで歩いて聞く公園の中をタクシーで移動させてもらった。

おかげでホールのすぐ前まで連れて行ってもらえた。



もちろん、歩いている人より早く着いたので

開場するまで座っている事も出来た。

もしも

大阪駅まで歩いて環状線に乗ってまた駅からホールまで歩いていたとしたら

とても試験を受けられるような体調ではなかったと思う。



陽ちゃんが今、こうして介護の仕事をしていられるのは

山のおじいちゃんと

優しいタクシーの運転手さんのおかげです。



その時から

このレシートは陽ちゃんのお守りになっているのです。





普段は机の中にしまってある手帳の中に挟んでいます。



こうして、事あるごとに陽ちゃんの目に飛び込んできます。

気を引き締めて頑張れよ!って言われているようです。





忘れないように

絶対に忘れてはいけない事



ここに書いておこう♪

最後に切除したポリープは良性で
余命五年なんて誰が言ったのか(苦笑)
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