今回は事務所から車で1時間ほど離れた場所での安置となりました。
入院先と提携している葬儀業者です。
事前に電話をして、お通夜の時間を尋ねるも、亡くなられてから3日も経つのに
忙しくて、西成まで行って段取りがとれない!!との返事が返ってきました。
いやいや、おかしいでしょ~
そちらは葬儀業者でしょ
忙しいって、今回の事も仕事でしょ~!!
と、半分怒りながら、業者からの電話を待っていた。
5日ほど経ってやっと電話がかかってきた。
ところが
お通夜はなし、お寺さんも来ない、火葬の時間だけ知らせてきました。
そこで
火葬までに、お顔を見せてもらいに行きたいと伝えると
10時から5時の間で、直前に電話を入れて下さいとのこと。
平日の昼間では、みんな仕事で行けません。
仕方なく、社長と陽ちゃんと杉かなちゃんで代表して
スタッフ全員の思いの詰まった色紙を持って行く事にしました。
現地に5時ちょうどに着きましたが、すでに玄関は施錠されています。
陽ちゃんが担当者に電話で指示を仰ぐと・・・・・
↑の写真の正面から左手のフェンスの間から隣の倉庫に行ってくださいと言う。
「倉庫?????」
そこは、本当に工場の倉庫のようです。
使用禁止の貼り紙のトイレ
電話では、トイレの前の部屋のドアを開けるように言われた。
「ここですか?」と聞き返す陽ちゃんに
「生活保護の人はソコです!!」と吐き捨てるような言葉。
ドアを開けて入ると2体の棺が無造作に床の上に放置されている。
ここは何??
目の前の光景を疑いました。
棺の上に付箋で名前が貼り付けられている
Hさんと違う名前だ・・・・
もうひとつ隣の部屋のドアを開けると
そこにも床の上に棺が・・・・
付箋にはHさんの名前が書かれています。
部屋と言っても、枯葉が入り、ゴミや埃や蜘蛛の巣まで・・・・
鍵もなく、誰もが簡単に入れる倉庫の1室に棺が放置してあるなんて・・・・
怒りがこみ上げてきます。
これが、人の最後の姿なのでしょうか・・・・
こんなんで良いはずはありません!!
いくら生活保護の方だからと言って・・・・
酷すぎます!!
社長は「悔しい」と言って涙をこらえています。
杉かなちゃんも呆然・・・
陽ちゃんは、精一杯の明るい声で
「みんなの思いがここに書かれているからね」
「Hさん、一人じゃないからね、みんなが一緒にいるからね」
「淋しくないからね」と
棺の上に色紙を置きながら声をかけました。
業者の方、どうか、お願いです
人としての感情が少しでもあるならば
この色紙を一緒に棺の中に入れてあげて下さい!!
でも、もしかしたら、この色紙はゴミとして扱われているのかもしれませんね・・・
いろんな葬儀社を知っていますが
陽ちゃんが知る、過去最悪の業者ですね。
Hさん・・・5日間もこんな倉庫に放置されていたなんて・・・・・
翌日の火葬の時間には、平日でみんな仕事の為、立ち会えなかったのですが
スタッフ全員、その時間は今まで以上に思いを込めて、空を見上げました。
心の中で、各自で冥福をお祈りしました。
こちらが本館
一般の方の葬儀場になります。
本来なら、生活保護と言えども、最低限の事はしていただけるように
区役所から、葬儀扶助のお金が出るんです。
ここ、西成の葬儀会社の方は、もっともっと心があります。
確かに、誰も参列しないお通夜では、その場限りの祭壇が用意されますが
それでも、今回の所とは大きく違います!!
生まれてくるときは大勢の方に見守られ、大切に命をつないでいく。
何十年も、苦労して頑張って生きてきた 最後も大勢に見送られて旅立って行ってほしい。
そう思うから、陽ちゃん達はいつもスタッフ全員で送ってあげようと決めていました。
今までも事前に連絡をすると、ちゃんと通常の祭壇が設けられ、お花も準備されます。
それらはすべて葬儀扶助のお金です。
当たり前の事なのです。
それ以外に、写真は含まれないので
生前の楽しそうな写真を大きくして、木枠の写真立てに入れて持って行きます。
会社から、色とりどりのお花が用意されます。
スタッフは、故人が好きだったものを準備します。
思い出をたくさんの写真と共に書き綴ります。
お通夜の最後には棺の中に、みんなで綺麗なお花をいっぱい入れてあげます。
そうして、思い出話をたくさんしながら
笑顔で旅立ちを見守ってあげます。
それなのに
今回は、本当に悔しくて仕方がありません。
Hさん
天国では、ニコニコのお仲間さん達が、たくさんいらっしゃるので
こんな会社やったなぁ~って、笑いながら話をしてくださいね。
けっして、一人じゃないですから
みんな、仲良くしてくれるはずですよ♪
この記事が書けるまでに、数日かかりました・・・・
記憶より記録の陽ちゃんですが
なかなか、書けない事、書きたくない事もあります。
でも、またいつか、ちゃんとHさんを思い出してあげられるように
ここに記しておきます。
改めて Hさんのご冥福をお祈りいたします (合掌)